◆ふらいふぃっしんぐゴッコ

491.『フライの雑誌』最新号(Vol.96)発売中ー①

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『フライの雑誌』最新号(Vol.96)が(とっくのとうに)発刊&発売に。詳しい内容に関しては コチラをクリックのほど。毎号、感心するんだが、実に丁寧に紹介してある。
全てを読み終えた感想を2回に分けて紹介の予定。当記事では、牧浩之さんの記事『ニホンジカを自分でなめしてわかったこと。』だけを中心に─────。
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かようなテーマの記事は(おそらく)本邦初。記事自体、ひじょうに興味深い内容。たいそう面白かったうえに様々な薀蓄や示唆に富んでいる。たとえば、鹿皮を完全になめし終えての牧さんのご感想。「とりあえず『マテリアルが高い!』とは二度と言わない」。笑った。首肯を繰り返しもした。
記事を読めば分かるが、その工程たるや半端じゃあない。それに使用する機器&ツールなどへの投資額。それらがあっての御感想ナリ。
牧さんがその工程上で、“!!!”とばかりに閃いた優レモノ的機器が2台登場するが、ナルホドなあ~といたく感心。ワタシ、某通販会社シャチョウさんのやたら甲高い声が最近全くダメになってはいるけれど・・・。←この意味、記事をお読みになればご理解可能。機器の種類と名称も。牧さんは、<なめし君1号>と命名。ワハハ!でアル。

ところでそうして牧さんが試行錯誤&孤軍奮闘してお作りになられた「Japanese Deer Hair」が3種類、我が手元にある。お送りくださったからだ、牧さんご本人が。それも典型部位を3種類─────。
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上から、「背中」「胴」そして「腹」の各部位。それぞれをパックから取り出し手にした際、そのすばらしい“仕事振り”に喝采を!もの好きシロウトの手によるものではなし。ヘアの質感や光沢などの品質は専門職人の手による販売製品とまったくもって比肩。お世辞抜き。それどころか勝る点が。皮革の状態である。
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薄いうえに弾力が。コレ、(シロウト感覚ながら)仕事振りの丁寧さの証だろうと。
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とりわけ「腹部」のスキン。獣のソレではなく、鳥のソレ。もっとも、腹部はそもそも皮革自体が薄いのだが、それでもここまでギリギリ丁寧に仕上げるのは、“お見事ナリ!”で。
ついでながら、薀蓄バナシをひとつ。動物────少なくとも温帯&寒帯で生きる野生動物の皮革は部位によって厚さに差が。もっとも厚いのが背中部で、最も薄いのが腹部。「防寒」を踏まえた“ツクりになって”いるのである(と推測)。腹部は新陳代謝の盛んな内蔵があるため薄くてもヘッチャラというわけで。すなわち、“温かい”のである。
この点は、その表面部に生える獣毛の内部構造や材質も同じ傾向が────という点は、少なくとも「シカ」をマテリアルとして扱うフライ愛好者の間ではすでに常識ゆえに詳しくは省略。
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ところで、写真の皮革にはサインペン文字が。牧さんの御配慮。その文字、半分だけ・・・だが、実は3種とも半分に裁断。ワタシが独り占めするのはあまりに畏れ多いと思い立ち、とあるギョ~カイ筋の方に半分贈呈するつもりだったんだが、突然拙宅にアソビに来た、とあるフライ愛好型お嬢サマに贈呈。「(ヘアを)一本たりともムダにしちゃあアカンよ」と強く念を押ししたうえで。自ら育てたミニトマトを来訪者に贈呈する際も全く同じ念押しを。「一個たりとも腐らすなよ」
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さて米国産と比較した場合だが、全くもって遜色なし。マダラ紋様もシッカリ。質的な違いはむろんある。そのあたりは、牧さんの記事を。
実は、頂いた3種を使ってフライを巻こう~と意を決したことはしたんだが・・・・・我がヨタヨタ巻き毛バリなんぞより、牧さんが巻かれた「マキマキ(=牧巻き)フライ」の写真を紹介するほうが世のため皆サンのためだろうなと。
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『フライの雑誌』のP.9より拝借。“Japanese Deer ”なる表記が実に“cool”だ。MLBで活躍する“Japanese Player”のごとし。今年は、川崎ムネリンとダルビッシュ有チャンに大エールを─────。
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水際立つタイイングの見本のようなフォルム・バランス。テールとウイングには腹部のヘアが使われているようだが、この“Belly hair”、米国産製品としての入手は困難なハズ。つまり、少なくとも日本では販売されていないだろう。
ちなみにワタシ、鳥類の“腹羽根オタク”を自認。これまたマテリアルとして製品化されていないが、“希少品”がぎょうさんある。いずれの鳥にもだ。その「希少性」という点で、シカ属のソレも同じ。質感、抜群!思わず、“使ってナンカ巻いてみよう~!”とモチベーションが沸点にまで昇る感じ・感触だ。
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ひとつ下の我が記事末尾で記したが、こうした“自らなめし工程”を経験なさると、たぶん位相が変わるだろうと。エラそうに記せば、それが、タイイング技術上、あるいはマテリアルの選眼上、ひいては、フライフィッシングそのものに対するアプローチ姿勢に無意識・無自覚のうちに反映されるような気が─────。
かの島崎憲司郎さんは、おそらくニワトリあたりのスキニング経験をお持ちだろうなと推測。たぶん“正解”。それも自ら昇天させてのうえでのソレ。島崎さん、“思考”の位相も“試行”の次元も別異孤高にして、ワタシごとき凡人風情の及びもつかん域に達しているが、その礎のひとつぐらいには間違いなくなっていよう。

以下、ドウデモイイ話をば。実はこのワタシも、ソレにかなり近い体験を幾度となく。幼少期。養鶏場を道楽の延長で営んでいた母方のジイサンが、卵を産まなくなった個体の頸部を“キュッ!”。ワタシと兄の眼前で。
そのあとが我々兄弟の“出番”。たっぷりのお湯に浸して羽根むしり。初めてヤラされた時、むしり終わった表皮に泡立つように突き出た無数の羽根穴を見て、それこそ「鳥肌」が立った。
   「鳥の肌 見て立つトリハダ アナ哀し」(増尾座礁)。
50年以上経っているのに2000万画素クラスのデジカメ写真のように鮮明かつ克明に記憶。まだまだ日本中が貧しかった(が、“ココロ”は豊かだったとしばしば回顧される)昭和30年代初期のハナシ。鶏肉はたいそうなる御馳走だった。がしかし、かなり複雑ビミョーなる気分でクチに。
とはいえ、絶対に食べ残すことはなかったが。今日まで続くワタシの「食べ残しキライ」と「なんでも食べられる(=好き嫌いナシ)」なる性向は、その時の“眼前キュッ!”から始まる一連の解体工程をつぶさに見た体験が礎になっているなあ~と自己分析。

いずれにしても牧さんの記事はフライファンにとって、「必読!」と敢えて。併せて、牧さんに“幸あらん”ことをと。

今夜は、親子丼でも作ろうかな?ふとそう思った我がオリマス。オシマイ。

●オマケ風に。「自ら育てた豚をシメたうえに解体して食らう」、その一部始終を記した書物がある。読んでみたいような読みたくないような気分だが(※「美食」とやらを自慢する手合いにはムリヤリ読ませたいが)、少なくともワタシにゃあ絶対マネできん!・・・ともいえんなと今、再確認。どなたか一緒にトライシテミマセンカ?dadさん、いかがで?ワハハ!
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by s_masuzawa | 2012-04-21 17:41 | ◆ふらいふぃっしんぐゴッコ | Trackback

●校門が 雲に覆われ 加計ゲート


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