◆ふらいふぃっしんぐゴッコ

531.<祝100号>その2

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『100号記念号』。「100」というかような“Commemoration”の代名詞的数値はちと後回しにして、まずは『創刊以来26年』という数値に関しての雑感を、我が追憶を交えて少々の長文仕立てで。“我慢して”読んでつかあさい。ハハ。

「26年間もよくぞまあ“長生き”を・・・パチパチパチ(←拍手)」というのが率直な感想。そもそも「雑誌」なるモノ、「生き物」である(と認識)。その論拠・理由は、「①(必ず)寿命があるから」「②環境に応じて進化するから」「③環境不適合だと消滅するから」「④系統脈の中でポジションを構えるから」「⑤一定の生態系をつくるから」などなど。すなわち、ニンゲン他生物と全く同じ。

以上の論拠はワタシの自前ではナシ。10数年ほど前に発刊された某週刊誌元編集長の方の著書から。書名も著者名も週刊誌名もあやふやながら(※現在、調査中ナリ)、読み進んでいて“ナルホド。おっしゃる通りで・・・”といたく首肯した憶えは鮮明に。

いわれてみれば確かにそう。中でも「寿命」は間違いなく。実際、ここ数十年、毎年毎年、膨大な数の雑誌が創刊されては、同数程度が休刊・廃刊を重ねるという“歴史”を繰り返してきました。「休刊」は「廃刊」と実質イコール。プライドが(ヘンに)高いギョ~カイ人が多いんで、「休刊」という(便利な)用語を構えるだけで。ワハハ!
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『フライの雑誌』が創刊された1980年代は同70年代とともに雑誌の創刊がやたら多かった時代である。ジャンルを問わず毎年、というより毎月・毎週、新たな創刊が次々と。その中で、「20歳」以上“生存”しえた雑誌は極めて少数。「30歳以上」となると、ワタシが知る限りゼロ。一時期、月刊誌では『文芸春秋』に次ぐ発行部数を誇っていたかの『噂の雑誌』(1979年創刊)でさえ、10年ほど前に休刊宣言。「25歳」の寿命デシタね、確か。

釣り業界&アウトドア業界も全く同じ様相を呈している。同時期に創刊された雑誌で、“生きながらえて”いるのは、『フライの雑誌』と『フライフィッシャー』(つり人社刊:1989年創刊)だけ(では?)。中には、「1歳」「2歳」程度で“昇天”しちまった雑誌も少なからずあったが、90年代、そして世紀が変わった2000年代に入っても同様の様相どころか、さらに“過酷な”状況に。出版業界全体の不況やら「空白の10年(だか20年)」とやらが輪をかけたものゆえ、むべなるかなで。

ですんで、冒頭に記したように、「26年間もよくぞまあ“長生き”を・・・」となるわけでゴザイマス。外的要因・内的要因の両面から休刊・廃刊に至る理由はさまざまあるのと同様に、長寿を保ちえている理由も全く同じ――といいたいところだが、実は長寿の秘訣は内的要因にこそアリというのが我が自論。

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そもそも『フライの雑誌』は、商業的かつマーケティング上は考えられないほどに「ない・ない」づくしなんでアル。列挙すれば、「①読者に媚びない」「②広告主に気を使わない」「③(釣り)業界と歩を一にしない」「④時流(トレンド)に追随しない」「⑤ブームに与しない」「⑥寄稿者・執筆者は知名度を優先しない」「⑦『釣り』というカテゴリーに縛られない」などなどをモットーに。端的にいえば実に大胆不敵・傲慢不遜なスタンスを基軸に据えています。創刊以来、現在に至るまでずっと。

商業的・マーケティング的には、これらはすべてネガティブ要素。ですんで、ジョ~シキ的には、とても成立・存続し得ないのだが、それが26年間続いたわけで。ワタシは、「ネガティブ=非常識」ゆえにこそ逆に支持層を創りだしえたんでは?とニラんでいますが、そのネガティブ要素の具体例をいくつか記しましょう~。

「読者に媚びない」の例でいえば、“この釣り場が穴場!”的な安直安易な「釣り場紹介」や、“こうすれば釣れる!”風の表層的な「技術(?)紹介」の類を絶対的に拒絶。だいたい、さような釣り場で、“そのような技術”ごときでトライすれば、“ボウズがビョウブにボウズの絵を描く”がごとし結末に─────。ワハハ!

続いて、広告主、それも表2・表3・表4あたりに毎号広告を掲載している会社(すなわち「大スポンサー」)を名指しで批判したことが数度アリ。民放テレビなんざあむろん、日頃からエラそうなことを言いまくっている大手新聞ですら、絶対に「やらない・できない・考えもしない」ことをなんらの気負いもなくヤリましてね、このワタシ、拍手喝采!すると同時に老婆心から、“ダ・ダ・ダ・大丈夫かや?”と心配に。
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また、「トレンドやブームに便乗しない」一方で、トレンドなどよりはるかに太くて重い「潮流」(※たとえば「エコロジー」なんぞ)をシッカリと押さえ、さらには、便乗どころか先取り感覚を発揮していくつものブームを創出することに。

その代表格が「CDCフェザー」。この鳥羽根のブーム、それも世界的なブームにまで押し上げ、そして必須素材として完全に定着させたのは我が国(※現在でも我が国が一歩以上先を常にリード)、それも『フライの雑誌』なんである!

1989年に、同誌はいち早くこの鳥羽根素材に着目。島崎憲司郎さんを中心に同誌読者&寄稿者の精鋭陣が毎号、研究成果を発表。素材特性や効果的な使い方などを次々に紹介し、その結果、当時はスイスの山岳地帯あたりでひっそりと使われていたにすぎなかったこの羽根を、数年程度でコックハックルと比肩する必須素材に高めることに。痛快ですねえ~実に誠に。

「痛快」という点では、無名の方々の育成も同じ。とりわけ執筆者陣。『フライの雑誌』でデビューしてから成長し、他誌への登場等、活動の幅を広げた方々は少なくありません。ワタシが過去、2.3回ほどどっかで記した覚えがあるんですが、「『フライの雑誌』は優れたインキュベーターである」というのはそれゆえのこと。ついでながら、そうして孵化なすって見事な翼を構えるまでに御成長なすった皆サン、東京は日野市方向に足なんぞ向けて寝ちゃあイケマセンぜ、バチが当たりまっせ!とまあ余計な一言を。ワハハ!

そもそも、島崎憲司郎さんも26年前は無名に近い存在だった。その島崎さんを創刊号の巻頭グラビアにド~~ンとばかりにもってきたうえ、時をそう経ずして同誌の看板企画になると同時に、フライ界に強烈なインパクトを与え続けた『水生昆虫アルバム』の連載を委ねた気合いと炯眼たるや・・・・。
40年前、全く無名だったロッド・スチュアートを自らのバンドのリード・ボーカルに据えたジェフ・ベックとイイ勝負・・・と戯言を─────といいつつ、『フライの雑誌』と島崎さんは相当高いレベルにおいて、相互研磨の関係性にあったことは紛れもない事実(と分析)。やっぱり、ベックとロッド・スチュアートと同んなじでっせ。このあたりのこと、まだまだ記したいコト、ヤマほどあれど、いずれまた。

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すなわち、ネガティブなスタンスは、裏を返せば、「①読者を唸らす」「②広告主を諌める」「③業界にモノ申す」「④時流を先取りする」「⑤ブームを創る」「⑥新たな執筆者を育成する」「⑦環境・社会問題をテーマにする」という実にポジティブな結果に帰結。

そして肝心なことは、コレら全てが「読者指向」であるという点にこそ。しかもコレ、しばしば目にする耳にする「消費者(顧客)指向」「マーケット・オリエンテッド」と全く同義にして、なんとも“滑稽&皮肉”なことに、ショーバイの鉄則にしてマーケティングの必須命題となっておるんです。

だ・か・ら・こそ、『フライの雑誌』が“長寿”を保ちえているわけなんですねえ~。さらに、以上のスタンスってえのは、すべからく内的要因に起因。ですんで、休刊でも廃刊でも倒産でも破産でも、そう宣言なさる際、不況だの円高なんぞの外的要因に責を負わせたらカッコ悪うおまっせ!とね。見苦しい~の一言です。

<続き>は後日、可能な限り速やかに・・・・・


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by s_masuzawa | 2013-08-19 04:20 | ◆ふらいふぃっしんぐゴッコ | Trackback

●風止んで 落ち葉で埋まる アノ小池


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