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◆ふらいふぃっしんぐゴッコ

457.Beard Hackle (第2弾)

  <●下記事No.455からの続編。ハックリング法としての“Beard Hackle”について解説をば─────

「ハックリング法」、ならびにそれによる「完成型形状」としての「ビアード・ハックル(ビアド・ハックル)」────。用語自体、馴染みは薄くても、“実物”を見れば、「なんだァ!アレかあ~」となるハズで。早速ながら写真をドウゾ。
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コレである。「なんだァ~」となったことかと。ウエット・フライやサーモン・フライに多用されるものだが、ハックルないしはフェザーを一旦、シャンク360度にハックリング。その上半分を指で均等にかき分けてから下方になで降ろし、根元部にスレッドを斜め掛けして固定する方式のものだ。
正面から見れば、シャンクに対し下半分約180度に広がっているため、その形状から「ヒゲ」=“(広義の意味での)Beard”と命名されたもの(だろう)。
一般的には、「スロート(Throat)ハックル」と呼ばれているが、その呼称はフライ部位名としての総称である。この取り付け方にはいくつかの方法があるが、ビアード型はそのひとつ。ビアード式にも、巻き留め方やファイバーの量などによって、さらにいくつかに分かれるが。
他の有名な方法としては「デフォー型」がある。これも方法自体はよく知られているが名称はイマイチ知られていない。1900年代初頭から60年代にかけて活躍した“Charles Defeo”なる先達が考案したもので、これまたその方法を知れば、「ああ、アレかあ~」となるは必定。写真をドウゾ。
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説明不要かと・・・といいつつ一応は。フェザーないしはハックルの下半分(以上)をむしりとり、先端部はシザーズ・カット。シャンクの下側に裏側を向けて仮留め。そして、ステム(ストーク)部分をゆっくり上前方向にスライドさせ、ファイバーの長さが適切になったら本留め。ウエット・フライのみならずニンフ・フライにも多用。ニンフ・フライの場合、表記は「ハックル」ではなく「レッグ」となるのが普通。
そのニンフ・レッグには、適量をむしったファイバーをそのままシャンク下側に据えて巻留める方法もある。便宜上「むしり型」と命名したが(※適切な英語が見つかりませんデシタ。わはは!)、その方法より断然オシャレにして仕上がりもスマート。個人的にはこのデフォー型が大のお気に入りで。サンプル写真をば。
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「ライト・ヘアズイヤ・ニンフ」なる英国産パターンを範に“捏造”したモノ。レッグ用ファイバー(パートリッジ使用)は少なめで、サイドにもちょこっと広がるあたりがエエなあ~と我が嗜好では。ファイバーの量・長さ・広がり具合を自在に、しかも簡単にできる点が、この方法の特長。ファイバーの量が多い例もついでに。

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コック・ハックル使用。ファンシー・ニンフの典型だが、ダウン・ウイングを付ければカラフル・ウエットになる・・・そう思われた方、鋭い!このパターン、母体は有名ウエットで名称は「ガバナー・ニンフ」。そう、英国産の有名ウエット「ガバナー」のニンフ・バージョンである。“産地”は英国ではなく、ニュージーランドだが。母体の小じゃれた赤いティップ部分をアブダメンに“拡大”。初めて目にしたとき、「オシャレやなあ~」「アレンジャー、センス抜群にいいワ!」と。

ここで、上述の内容を踏まえたチャートなんぞを。スロート・ハックルの分類&体系図にして、「ビアード・ハックル」の位置づけ等を。
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ヘタッピイなチャートで御免ナサイ。(使い慣れた)Macなら・・・・しつこいね、ワハハ!さて、最右段にご注目。最上段と最下段に「ビアード型」とあるが、その最下段のビアード型、コレ、先述した、ファイバーをむしり取る式で巻留めたスタイルのもの。ほとんどがニンフのレッグ用に使われるが、これもまた「ビアード」と呼ぶからややこしい。
といいつつも、“beard”の狭義・広義の意味を理解すれば、一応はナルホドと。狭義の意味は「アゴヒゲ」。「むしり型」はアゴヒゲそのものだ。その点では、“本来の”ビアード型は、「頬髭(ほほひげ)状」ゆえ、“beard”よりも“whiskers”のほうが適切では?・・・と一旦は思った。だがしかし、頬から顎までを覆うヒゲは“beard”なんだそうで。で、納得。Tさん(御夫妻サマ)、アリガトウございました(←ココだけは、読んでおいてたもれ!ワハハ!)

同様に、“Throat Hackle”にも広義と狭義の意味がある。総称としての意味(=広義の意味)と、ひとつのスタイルとしての意味(=狭義の意味)である。最右段の2番目が狭義のスタイルで、ファイバーの量を少なめ・広がりを抑え目にしたものだ。位置的かつ形状的には「喉」そのものに。
その方法を簡単に紹介。ビアード型と同様にハックリング。巻く回数を減らす・ないしは上半分に広がるファイバーを全部カット(※あるいはその両方)。ファイバー全体の根元部(シャンク寄りの部分)を指で強く絞りながら真下方向へ引っ張り、その状態でスレッドを斜め掛け。

もひとつ最後に。スロート・ハックルには2種類の異なるハックルやフェザーを前後別々に巻き留める方法がある。サーモン・フライやウエット・フライで多用されるものだが、サンプル写真をドウゾ。
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「シルバー・ドクター」のウエット版。母体となった同名サーモン・フライを簡素化したもの。ちなみに、こうした「簡素化」を英国では“Cut-Down(カットダウン)”と呼称。カッコエエ呼び方ですねえ~。流行らせましょうや~、ギョ~カイの皆さんよ。なお、“英国では”と断ったのは、米国の書物を多数みても、その用語がひとつとして見当たらなかったがためで。
てなことはともかく、写真のスロート・ハックル、コック・ハックルをビアード型で巻いたあとにギニア・フォウル・フェザーをデフォー型で────。
この場合、前部の“ギニア”を「フロント・スロート・ハックル」、後部の“コック”を「リア・スロート・ハックル」ないしは「ビアード・スロート・ハックル」と呼称。いずれも、中間の「スロート」を省略した呼称が定着しとります。

以上、長々とまたまた。といいつつ、またまたオマケを。ニンフ・フライの「ソラックス部とアブダメン部の比率」に関する考察と提案をば。
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コレ、さっき紹介した「ライト・ヘアズイヤ・ニンフ」。10年ほど前、『Trout and Saimon』なる英国を代表する月刊専門誌の記事内で紹介されていたのだが、見た瞬間、ちと衝撃を。やたら新鮮に感じたのだが、理由はソラックス部分とアブダメン部の比率が、よおく見慣れた従来型のものと相当に違っていたからだ。アブダメンが滅法長いのである。
通常のニンフ・パターンはその比率が「1:1.5~1.7」。それに対し、「1:2(以上)」。写真のサンプルはワタシが巻いたものだが、この写真で計測したら「1:2.3」だった。“もっと長くしてもヨカッタかな?”とちと後悔。ハハ。
新鮮な印象を受けませんか?パッと見で。これまた、流行らせましょう~や、ギョ~カイの皆さんよ!「ロング・アブダメン・タイプ」とでも銘打って。

形状的に、泳ぎの達者なフタオカゲロウ属等のイメージ。通常の比率のモノはマダラ属等のズングリ型・・・・てなこと拙著内のどっかで記しマシタ。ハハ。
フックは当然ロング・シャンク・モデルを。写真のサンプルは「TMC947BL」を使用。シャンク前部が絶妙のなだらかさで上方向に婉曲しているモデル。このモデルならではの特長は、「ウエイトを巻いても水中で上下逆さ現象(=キール状態)になりにくい」(※通常のフック・モデルだとキールになりやすく、ウエイトを巻くとほぼ確実にそうなるもの)。婉曲形状デザイン(だけ)でそれが可能に。“ホンマかいな?”と当初は猜疑心モリモリだったんだが、実際に試してみたら“ホンマ”だった。さすがは島崎憲司郎さんですワ、ホンマのハナシ。
ちなみにたった今、そのフックの前部と後部の比率を試しに測ってみたら・・・な、な、な、な、ナント!「1:2.3」デシタ!ホンマかいな!?ワハハハハ!
これから遅い夕飯食べる我がオリマス。メイン惣菜、またまたゴーヤ料理・・・笑えませんがな、マジメなハナシ。

●下記事No.456も含め、疑問点・ご質問等あればどうぞご遠慮なく。反論でももちろん結構。お待ちしとります。オシマイ
by s_masuzawa | 2011-08-25 22:06 | ◆ふらいふぃっしんぐゴッコ

●超天才 羽生で最後 違ってた


by s_masuzawa
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